塩田の周囲に海水を取り入れた水路から、大きな柄杓に似たもので、海水を砂に敷いた「塩浜」に撒きました。均一に撒かないと干しむらが生じていけません。これが思った以上に難しく、海水が、大きくボトボト落ちてまるで洪水状態です。この作業を20回ぐらい行いましたが腰と両腕が張ってもう大変。先人の苦労が偲ばれます。この様な塩浜が、赤穂の大きな川が流れる両側に昔日は有ったと伺いました。
海水を均一に撒いて、太陽熱で充分水分を蒸発させると、砂に塩分が付着します。その砂を一ヶ所にかき集めてコーヒーを立てる要領に似た方式で上から鹹水(かんすい)を掛けます。
大桶より今度は大釜に鹹水を入れて煮詰めて作ります。全盛期には、昼夜釜の火を絶やすことなく焚き続けたそうです。昔日の頃は火を焚く人、鹹水を混ぜる人とも、釜の熱気と水蒸気の両方で、とても過酷な重労働だったと聞きました。
当日、実演の予定がボイラの故障で見られなかったのが残念でしたが、想像のつく光景です。
昭和20年後半より始められました。この方式は、海水をポンプで屋根の天井まで汲み上げて、孟宗竹の竹枝に海水を流して太陽熱で水分を蒸発させます。下に落ちてきた海水を再度また天井から流します。この作業を繰り返しで鹹水を作り、製塩作業所に送り塩を製造するものです。この方式により、大幅に労働が楽になり、生産性も向上したそうです。
現在、赤穂の科学館の体験コーナでは、実際に塩作りを体験させてくれます。流下式枝条架塩田法で採取した鹹水で土鍋を使い火にかけ煮詰めています。途中、鍋の中鹹水の泡が飛び散るし、いささか苦労をしました。
私が作った塩は、結晶が細かく少しまろ味が少なくツーンとした味がします。大釜で作った塩は、大まかな味とまろやかさも有る様に思えました。同じ素材でも、火加減ゃ器具の違いでこうも違うのだから、料理は奥があって面白い。
塩は、人間の身体の中に1パーセント近く含まれており、血管中を流れている血を身体中に運んで細胞の新陳代謝を行なったり、また胃の中に入って塩酸となり胃液の分泌を促す大切な働きもしています。 |